2016-02-29

夕暮れいろいろ

帰りの航海ですが、報告書を書く以外は特にすることがありません。気分転換に
たまに外に出て甲板を走ったりしていますが。私が毎日楽しみにしているのは夕
暮れの風景です。同じ海の上でも天候や光の当たり方でだいぶ印象がかわり見て
いて飽きません。

2016-02-28

ちょっとだけアフリカ

しらせは一旦南極沖を離れて北上し、南アフリカ ケープタウンに寄港しまし
た。寄港といっても我々の上陸はなし。それでも越冬隊員にとっては2014年11月
以来の南極以外の大地と文明圏です。町並みや列車が走っている様子に見入って
しまいました。アフリカ沖では虹やオットセイ(アシカかも?)やイルカ群れの
歓迎をうけて、喜望峰(3枚目の写真)を眺めながら、気温も25℃以上、久しぶり
の夏を満喫することができました。でも、これから海洋観測のため再び暴風圏を
越えて寒い南極沖へ戻ります。

ヘリ納め

 野外観測や物資輸送でお世話になったヘリコプター、海上自衛隊のCH機と観測
隊契約の民間ヘリAS350機ですが、全ての任務を終え、帰りの船旅のため「しら
せ」内に格納されることになりました。小型のAS機は3枚のブレード(羽根)を
手作業で外して、タイヤをつけて手押しで移動。大きなCH機はブレード5枚をた
たんで(あとでクレーンで外すそうです)専用の電動カートで移動させます。約
30分ほどでCH2機とAS1機が格納庫内にピッタリ収まりました。船内でも整備は続
くそうですが、パイロットとスタッフの皆さんお疲れさまでした!

アムンゼン湾にて

 2月17日、復路の「しらせ」から57次夏隊最後の野外オペレーションが行われ
ました。私にとっても南極最後の野外観測支援です。目的地はアムンゼン湾、こ
こには無人磁力計やGPSの測位ポイントがあります。目の前にはリーセル・ラル
セン山がそびえ、周囲には棚氷、氷河、フィヨルド、氷河湖と盛りだくさんの、
南極での最後の仕事にふさわしい美しい場所でした。さらば南極の大地!

氷海離脱

2月14日に昭和基地を離れて、本日2月27日、まだしらせで航海中です。だいぶ
時間が経ってしまいましたが、2月15日の氷海離脱の瞬間です。氷のある海が当
たり前になっていたので、氷が無いとちょっと寂しい気がします。

2016-02-14

さよなら昭和基地

本日ヘリで、すでに帰路の航行をしている「しらせ」に戻ります。

昭和基地ともいよいよお別れです。
いろいろなことがありましたが、あっという間の1年2ヶ月でした。
しらせでゆっくりとこの越冬生活を思いおこしたいと思います。

帰りは、行きとは異なる航路で、野外オペレーションも少しだけある予定なので、新たな世界への船旅と思って充実させます。

なお、こちらのブログはメール経由で投稿ができるかもしれませんので、たまにご覧ください。(ただし、コメントの返答はできません)



2016-02-13

ペンギン、空を飛ぶ!

南極でペンギンが飛んでいる風景が見たくて、不思議ヒコーキ製作者の飯島実さんに特別に作っていただいたペンギンヒコーキを、ようやく南極の空で飛ばすことができました。

近くには本物のペンギン達もいたのですが、近寄ってくる子供ペンギンもいて、飛ぶことのできる仲間と思われていたようです。飯島さん、ありがとうございました。





肩の荷

 いよいよ昭和基地を離れることになりそうなので、南極で常に身につけていたこちらの紹介。野外はもちろん、基地内であっても、トラブルがあれば、そこは南極です。朝起きてから寝るまで持ち歩いていました。中味は無線機、ライト、ナイフ、ホイッスル、通信カードなどの非常用品と、すぐに使いたいデジカメ、野帳、ペン類などです。幸い肩こりにはなりませんでしたが、しらせに乗ったら肩から下ろすことにします。




2016-02-12

野外観測支援引継ぎ

 57次同行記者ブログ「南極かわらばん」に野外観測支援の引継ぎの様子を取り上げてもらいました。

南極を切り撮る 「野外観測支援引継ぎ」
http://kachimai.jp/feature/antarctica/article.php?id=113

2016-02-11

さらば、とっつき岬


GPS機器回収のサポートで、とっつき岬に行ってきました。越冬中はクラックに悩まされ、つらい思い出の多かった岬ですが、これで最後かもしれないと思うと名残惜しく思えるものですね。ひさしぶりにお茶を立てて、おだやかな時間を過ごすことができました。



とっつき岬とクラック


抹茶で一休み

2016-02-06

Your Shot

ひさしぶりにNational Geographic Your Shot に投稿しました。
南極からあと何枚投稿できるかな?

http://yourshot.nationalgeographic.com/photos/7566050/


2016-02-04

ボークス氷河

もう氷河に行くことはないと思っていたら、氷河GPS設置の支援依頼が・・・
氷河上はクレバスが多く、ヘリの着陸時の周囲の安全確保はかなり緊張が強いられるのですが、無事GPS観測装置を設置することができました。 帰路には、憧れつつも行く機会が無かった露岩帯、ルンドボークスヘッタが上空から見ることができました。

ちなみにこのGPSデータと衛星画像をあわせて解析すると、氷河の流れる速度がcm単位でわかるそうです。凄いですね。
ボークス氷河

氷河GPS設置完了!

ルンドボークスヘッタ


2016-02-01

その後の卵たち


越冬交代後、57次隊の支援でルンパ島のペンギンルッカリーに行ってきました。11月末の営巣数調査では、まだ卵でしたが、今ではこのとおり!
エサをねだって親ペンギンを追いかけています。子育てに苦労するのは人もペンギンも同じようです。
モコモコの羽毛がヒナです。


エサをねだって親を追いかけ回します。


越冬交代


 2月1日、越冬交代式をもって57次隊に昭和基地の全業務を引き継ぎました。
思えば55次隊から基地を引き継いでから、あっという間の1年でした。
57次隊の皆さん、あとはよろしくお願いします。

 これから56次越冬隊はしらせに帰艦していきますが、私は2月中旬頃まで支援のため残留することになりました。もう少しだけ南極生活を楽しみたいと思います。

交代宣言の後、57次隊と握手をして入れ替わります。



野外観測支援業務は56次夏隊でもお世話になった水谷さんに引き継ぎました。
あとはよろしくお願いします!
56次越冬隊の仲間と57次夏隊の一部がしらせに帰っていきました。
しらせで帰る我々にとってはしばしの別れですが、57次越冬隊員にとっては帰国する来春までの別れになります。