2015-01-30

野外観測支援とは?

このブログをご覧になっている方でも私の業務がわからない方が多いと思いますので、私の南極観測隊での任務、野外観測支援について説明しておきます。

まず南極観測隊は大きく2部門に分かれます。
・観測系:気象やオーロラ、地磁気など南極特有の自然現象を観測する科学者達です。
・設営系:昭和基地を初め、南極での快適な暮らしや活動をサポートする医師、調理、機械、通信、建築などのプロ集団です。

 野外観測支援(Field Assitant フィールドアシスタント:通称FA) は、設営系に属しており、観測系の研究者が主に野外で観測をする際に、必要な装備の準備や、観測地点までのルート確保など野外調査での装備や安全管理を担当します。求められる専門性は、冬山など厳しい自然条件に精通していて、野外での生活技術に長けていること、クレバス転落などの万が一の事故の際のレスキュー技術も必須です。

 まず日本では隊員が南極で使用する衣類などの個人装備品や野外で使用する物品を準備します。
 南極では、夏隊のいる夏期間(12月~2月)は各研究グループの野外調査をサポートします。具体的には、露岩地域で生物や植物を調べるチームであれば、テント設営や調理など野外生活全般サポート、湖沼や岩場でケガや事故を起こさないための安全管理。氷床や氷河の上でGPSなどの機器設置したりするチームであれば、クレバスや海氷上のクラックなどの危険から隊員を守ること、また夏期間の野外調査はヘリコプターを使うことが多いので、ヘリを安全に誘導することも重要な任務となります。
 越冬期間には越冬期間中の観測や機器の保守のために必要なルート(雪上車が通る海氷や氷床上の道)の作成と維持、基地内では建物間を結ぶ命綱(ライフロープ)の管理、隊員への救助訓練の実施など、越冬隊内の安全管理に深く関わります。


以下は夏期間の活動例です。 

南極大陸 氷床上でのルート工作



露岩地域での野外調査チームのサポート


















海氷上でのルート工作















ヘリオペレーション













2015-01-29

ペンギン

連日、野外調査に同行していたため、ブログの更新ができずに申し訳ありません。

さて、写真は昭和基地から50kmほど離れたスカルブスネスという露岩地帯で見たアデリーペンギンとそのルッカリー(巣)です。2枚目の写真の灰色のペンギンはヒナですが、親と変わらない大きさですね





2015-01-14

しらせ昭和基地に接岸!

我々がヘリで移動したあとも地道に砕氷を続けていた「しらせ」が現時時間1月12日14時06分(日本時間1月12日20時06分)、昭和基地に接岸しました。今回は乱氷帯の雪に苦戦し、我々が乗っていたころはペンギンに抜かれることもしばしばでした。砕氷回数は歴代1位だった昨年の2227回を大幅に超える3187回、この記録はしばらく更新されないでしょう。しらせ、艦長、乗員の皆様、おつかれさま!

(ちなみに接岸とは、昭和基地周囲は氷で覆われているため、しらせから昭和基地の燃料タンクにパイプで送油できる状態になったら接岸とします。写真左上が東オングル島と昭和基地です)

2015-01-13

今年もよろしくお願いします

すっかり遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願いします。

なかなかブログの更新ができずにいましたが、12月24日に昭和基地に着き、南極で元気に活動しています。
野外観測支援という仕事柄、2月までの夏期間は昭和基地から離れて活動することが多いため、毎日更新とはいきませんが、今後ともよろしくお願いいたします。
写真はラングホブデという南極大陸の露岩地帯に行った時のものです。念願の南極大陸を歩くことができました!